キャッチャーが送球して「ランナーを刺すシーン」はカッコいいですよね(^^)
ピンチの場面でキャッチャーが2塁に送球しランナーを刺すと、流れが一気に変わったり、守備にも勢いがついたりします。
今回は「歴代盗塁阻止率No.1キャッチャーから学ぶ送球・ステップのコツ」をお伝えします。
そのキャッチャーとは古田敦也氏です。
古田氏は盗塁阻止に関しての数々の日本記録を持っていて、リード・キャッチング・ステップ・スローイングの全てにおいて超一流のすごいキャッチャーです。
キャッチング~スローイングまでメチャクチャ早く、送球のスピード・コントロールも抜群でした。
その古田氏が送球とステップのコツを教えてくれました(^^)
歴代盗塁阻止No.1キャッチャーの古田敦也氏
古田敦也氏は歴代盗塁阻止No.1キャッチャーとして有名です。
実はそれ以外もすごいんです↓↓↓
- 日本一4回、リーグ優勝5回
- ベストナイン9回
- MVP2回(シーズンMVPも2回)
- 首位打者(当時キャッチャーとしてセ・リーグ初)、最多安打
- 打率3割を8回記録 通算打率,294
- 2000本安打(大学、社会人を経由した選手として初)
- 1試合4打席連続ホームラン(日本タイ記録)
「キャッチャーは守備で体力を消耗しやすい」とよくいわれます。
足腰はもちろん疲れますし、ピッチャーと同じくらいボールも投げます。またキャッチングで握力も大きく落ちてしまいます。
そのため、バッティングが良くないキャッチャーが多いなか、上記のとおり古田氏はバッティングも良いんです。
「盗塁阻止」に関しては歴代No.1!↓↓↓
- シーズン盗塁阻止率.644(日本記録)
- 通算盗塁阻止率.462(日本記録)
- ゴールデングラブ賞10回
- 盗塁阻止率リーグ1位は10回
- 13年連続盗塁阻止率4割以上
- 12人連続盗塁阻止
・・・スゴすぎますよね(笑)
2017年のセ・リーグトップは小林誠司(巨人)で.380、パ・リーグトップは田村龍弘(ロッテ).337。
2018年9月11日現在でセ・リーグトップは梅野隆太郎(阪神).349、パ・リーグトップは甲斐拓也(ソフトバンク).444です。
甲斐選手(ソフト)や小林選手(巨人)も盗塁阻止に関してはトップクラスですが、古田氏は通算盗塁阻止率(.462)でそれを上回っています。
この数字を見れば、古田氏がどれだけすごいキャッチャーか分かると思います。
キャッチャーに必要な条件は色々ありますが、古田氏はまず「盗塁を刺す能力」を挙げています。
リードやキャッチングも大切ですが、この能力が高いキャッチャーは、ピッチャーはもちろんベンチにも信頼されます。
盗塁阻止能力が高いキャッチャーでは、相手の盗塁企図数(盗塁を試みる数)も少なくなります。
もちろん古田氏は、最も相手の盗塁企図数が少ないキャッチャーの一人です。
歴代盗塁阻止率No.1キャッチャー古田氏から学ぶ送球・ステップのコツ
ここから本題の「歴代盗塁阻止率No.1キャッチャー古田氏から学ぶ送球・ステップのコツ」に入ります。
スムーズに素早く送球に移るためのステップのコツ
キャッチャーが「”捕球するまで”のわずかな時間を短くすること」が送球を早くするコツだと古田氏はいいます。
「捕球してから」ではなく「捕球するまで」がとても大切です。
このコツが分かれば、その後のステップもスムーズになり、キャッチング~送球まで効率よく行えます。
そのコツとは「捕球するまで」に
「ランナーが走ったのが見えたら、前(左足側)に体重移動する」
です。
基本中の基本ですが、キャッチャーは「左足を少し前に出して」構えます。
そして、ランナーが走ったのが見えたら前(左足側)に体重を移動させてから、捕球するのがコツです。
前(左足側)に体重移動することで「セカンド方向に力を伝えやすくなる」ので、その後のステップが行いやすくなり、すばやく送球動作に移れます。
送球のスピード・コントロールを抜群にするステップのコツ
送球のスピード・コントロールを抜群にするステップのコツもお伝えします。
「捕球するまでに前(左足側)に体重移動する」と先ほどお伝えしましたが、その後のステップで送球が良し悪しが決まります。
前(左足側)に体重移動してからは
「右足を前に踏み出す」
のがステップのコツです。
「右足を前に踏み出す」といっても、「少し」だけですが、これが助走になり下半身の力を伝えやすくなり、その「少し」が大きな差になります。
このようにステップすることで、送球するボールのスピード・コントロールが良くなります。
よくある勘違いは「その場でくるっと時計右回りに90度回転して(後ろに右足を引く)送球する」または「ステップせずに、その場で踏んばって送球する」です。
昔のキャッチャーはそうやって投げていたといいます。
古田氏もたまにステップせずに送球することもありましたが、基本はしっかりとステップをします。
現在のステップの仕方は
- ランナーが走ったのが見えたら、前(左足側)に体重移動する
- 右足を少し前に踏み出す(この時は右足に体重移動することになります)
- そして左足を踏み出す(体重移動する)
が主流です。
このステップの動きは言葉では伝わりにくいので、古田氏の動画を参考にして下さい↓↓
このステップのコツを実践すると、より下半身の力を利用することができるようになり、効率よくスムーズに、また力強く送球できるようになります。
横浜ベイスターズや中日ドラゴンズで活躍した名キャッチャー谷繁元信氏もこのようにステップするようになってから、飛躍的に盗塁阻止率が上がりました。
送球するボールは「スピード」よりも「正確なコントロール」が大事
古田氏は「送球するボールはスピードよりも正確さが大事」と力説します。
いくら強肩のキャッチャーでも、大きく逸(そ)れるとタッチするまで時間がかかってセーフになってしまいます。
それよりも「そこそこのスピード」で「正確なコントロール」で送球するほうがタッチするまでの時間が短くなり、アウトにする確率が高くなります。
送球するベストの場所は「セカンドベースより少し右(一塁)側」です。
そこにボールが行くと、すぐにタッチできますよね。
でもキャッチャーからセカンドベースまでは40m近くもあり、そこに正確に送球するのは至難の技です(>_<)
・・・ですが、古田氏は抜群のコントロールで、かなりの確率でベストの場所にしっかりとコントロールされていました。
古田氏はどのようにコントロールしていたのでしょうか?
コントロールを良くするには古田氏なりのコツがあったようです(^^)
目標は◯◯◯◯◯の頭
いくら古田氏でもセカンドベースを目標に投げるのは難しく、コントロール良く送球するには「目標を近くするのが良い」といいます。
古田氏はどこを目標に送球していたのか?
その目標とは
「ピッチャーの頭」
です。
そこに投げることで「ベストの場所(セカンドベースより少し右)に投げられる」と言います。
例えば、ボーリングでは近くのスパット(ピンよりも手前にある三角のマーク)を目標に投げます。
セカンドに投げるより、半分の距離のピッチャーに投げるほうがコントロールしやすいですよね。
しかし、ボールをうまく握れなかったり、肘が下がったとき(低めのボールなどを捕球したとき)は、少し変わるようです。
ピッチャーの頭を基準に
- 上手に握れないとき→やや高く(指がしっかり引っ掛からないから、ボールが伸びない)
- 肘が下がったとき→やや左側(シュートするから)
古田氏は、ワンバンの球を受けたときや握り損ねても、コントロール良く投げていました。
どんな状況でもコントロール良く送球できるから、盗塁阻止率No.1キャッチャーなんですね(^^)
「低く投げる」が送球を良くするコツ
キャッチャーに限ったことではありませんが
「低く投げる」
というのが送球を良くするコツです。
子供の頃から「低く投げる」ことで「肩が強く」なり、「盗塁が刺せるようになる」と古田氏は言います。
古田氏は中学生の時に「そのうち(セカンドに)届くようになるから、絶対に上に投げるな!」と当時の監督に言われたそうです。
すると一年もしないうちに低い送球でセカンドに届くようになりました。
「低く投げるとセカンドまで届かない」という人はワンバウンドで投げるようにして下さい。
なぜならノーバウンドで力を入れて送球するより、ワンバウンドのほうが「早く・正確に」送球できるからです。
また子供の遠投は「害になる」場合があると古田氏は警告します。
小さな子供が遠投をすると、上に投げてしまい体を開いて投げる癖がつき、逆に「肩が弱くなる」リスクと言っています。
野球では『低い球を「長く&速く」投げる技術』が必要です。
なぜなら「野球において上に投げるシーンはない」からです。
大人になってからも上に投げることはなく、「外野手でも身長の2倍以上は投げてはいけない」といいます。
プロ野球では野手でもピッチャーと同じように”ブルペン”で投げることがあります。
古田氏いわく「ブルペンでの投球練習は傾斜があるので低く投げる癖がつく」のでオススメとのこと(^^)
ピッチャーは「ブルペンで投げるから肩が強くなる」らしいです。
ブルペン投球練習を子供の頃からやっていると「肩が強くなる」と言っています。
意識は「下」に持ってくるのがコツ
送球・ステップのコツをもうひとつご紹介します。
そのコツとは『意識を「下(下半身)」に持ってくる』ということです。
しっかりとステップをして下半身を軸に全身が使えると「球威・コントロールがアップ」します。
極端な表現ですが「右手は使わなくてもいい」とプロ野球のコーチは言っています。
「右手はボールを持っているだけで、右手は下半身の動きに引っ張られるようにする」ことが大事です。
プロ野球のキャッチャーの送球練習では、送球時の下半身の動きを覚えるのに、ピッチャー練習用のゴムを使います。その練習とは
- ゴムをどこかをくくりつける
- 立った状態で右手でそのゴムを持って「トップの位置」に持ってくる
- 右手は「トップの位置」のままで右足を内側に絞るように股関節を入れる(腰を回転させる)
この動きを何度も何度も繰り返します。
この練習で大切なのは「右手は”トップの位置”のまま」バッティングのように股関節を絞り腰を回転させることです。
この練習をすると上記のように
「右手はボールを持っているだけで、右手は下半身の動きに引っ張られるようにする」
という動きができるようになります。
手だけで送球するとコントロールもつきにくく、また上半身が前にいくことによって下半身がうまく使えないためスピードも出ません。また上半身だけで送球することで肩や肘に負担がかかり、ケガにも繋(つな)がります。
それを予防するためにもステップをしっかりと行い、意識を「下」に持ってきて「下半身の力をスムーズに上半身に伝えて連動させる」ことが重要になってきます。
意識は「下(下半身)」です(^^)
まとめ
さて「歴代盗塁阻止率No.1キャッチャーから学ぶ送球・ステップのコツ」大切のまとめです。
ステップのコツは、
- ランナーが走ったのが見えたら、前(左足側)に体重移動する
- 右足を少し前に踏み出す(この時は右足に体重移動することになります)
- そして左足を踏み出す(体重移動する)
です。
そして、セカンドベースにコントロールよく送球のコツは
『約40mも離れたセカンドベースを目標にするのではなく、半分の距離の「ピッチャーの頭」を目標にして送球する』
です。
また野球において上に投げるシーンはありません。もちろんキャッチャーも!
野球では「低く&長く投げるという技術」が必要で、キャッチボールなどでは常に「低く&長く」投げる練習を繰り返しましょう。
そうすることで「肩が強く」なり「盗塁が刺せる」ようになります。
ケガの予防、球威・コントロールを良くするためには、意識を「下(下半身)」に持ってきて「下半身の力を上半身に伝えて連動させる」ことが重要です。
以上「歴代盗塁阻止率No.1キャッチャー古田敦也から学ぶ送球・ステップのコツ」でした。
最後までご覧下さいまして、ありがとうございます。またよろしくお願いいたします(^^)
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