お手本!小さいテイクバックのピッチングフォームの最強投手3選!

最近は、昔に比べテイクバックの小さいピッチングフォームのピッチャーが多くなっています。

2016年の終盤から活躍している広島カープの薮田和樹は独特なピッチングフォームで、テイクバックの時に一度も腕を伸ばさないのが特徴的です。

非常にテイクバックの小さいピッチングフォームから最速156キロの豪速球を投げます。テイクバックの小さいピッチャーは球速が遅い選手が多いですが、すごいですね(>_<)

しかしテイクバックの小さいピッチングフォームは、内野手みたいな投げ方になってしまいやすく、どうしても手先に頼った投げ方になりやすくなります。いわゆる「手投げ」ですね(^^;

テイクバックが小さいピッチングフォームは、全体的に小さいフォームになりやすく注意が必要です。

テイクバックが小さくても体全体を使わなくては良い投球ができません。

今回はお手本になるテイクバックの小さいピッチングフォームの最強ピッチャー3人をご紹介します。

この3人のピッチャーは、長い間活躍し続けているので、とても参考になると思います。またこの3人がしている練習やピッチングのコツもご紹介します。

2種類のテイクバック

テイクバックは大きく分けて2種類あります。

「外転型テイクバック」と「外旋型テイクバック」です。外転・外旋とはボールを持っている側の肩関節の動きのことです。

肩関節の外転とは、腕を横に上げる動作のことです。「外転型テイクバック」の代表的なピッチャーは、中日・岩瀬仁紀やソフトバンク・サファテなどです。

「外転型テイクバック」とは、まずテイクバックの始めに腕をぶらーんと下ろします。そして腕を伸ばしたまま外転(腕を横に上げる)し、肩の高さ近くで肘を曲げ、腕をトップの位置に持ってきます。

昔のピッチャーは「外転型テイクバック」がほとんどでした。江夏豊氏(シーズン401奪三振、オールスター9連続三振など)や金田正一氏(通算勝利数400勝)もそうでした。

「肩関節の外旋」とは肩関節を外側にねじる動作のことです。プロのピッチャーは「外旋型テイクバック」の選手が多く、大谷翔平やダルビッシュや田中将大がこのテイクバックです。

「外旋型テイクバック」とは、まず「外転型テイクバック」と同じようにテイクバックの始めに腕をぶらーんと下ろします。

しかし次の動作からが「外転型テイクバック」と異なります。

次に、肘から横に上げていきながら、少しずつ肘を曲げていきます。肘の位置が肩の高さ近くなったら肩関節を外旋(外に捻る)させながら、腕をトップの位置まで持っていきます。

広島カープの薮田和樹のようにテイクバックの間、肘をずっと曲げたままで、内野手のようなテイクバックのピッチャーもいます。

テイクバックの小さいピッチャーは基本的に「外旋型テイクバック」で、腕をトップにもっていくときは肩関節の外転よりも外旋をメインにします。

次にお手本になるテイクバックの小さいピッチングフォームの最強ピッチャー3人をご紹介します。

上原浩治

一番最初にご紹介するのは、上原浩治です。

テイクバックが小さい最強の右ピッチャーで抜群の制球力を誇り巨人やメジャーで活躍している上原浩治はお手本にしてほしいピッチャーです。

テイクバックが小さく「球の出どころが見づらい」ピッチングフォームといわれ、メジャーでは150キロ以上のピッチャーがゴロゴロいるなか、上原のストレートは140キロ前後で好成績をあげています。

日本でも140キロ前後のストレートは遅い方です。その速くないストレートで強打者揃いのメジャーリーガーから数多くの空振りを奪い、2016年は9イニングあたりで12.06個の奪三振を記録しています。

この数字は40イニング以上を投げたピッチャーの中ではリーグ9位でした。上位にいるのは上原より球速が速い速球派のリリーフピッチャーばかりです。

メジャーに移籍してから(2009~2016年)キャリア通算の奪三振率はなんと10.73と驚異の数字です(>_<)140キロ前後のストレートとスプリットだけでこの数字はスゴすぎます!

奪三振率は巨人時代よりもメジャー移籍してからのほうがアップしているんです。

しかもメジャーに挑戦したのが34歳の時!ベテランと呼ばれる年齢で、とっくにピークは過ぎてるはずなのにこのピッチングは驚きですね(*_*)

上原浩治のテイクバックの小さなピッチングフォームができた理由

彼の活躍の一番の大きな理由はテイクバックの小さいピッチングフォームでしょう。

どのようにこのピッチングフォームが生まれたのでしょうか?上原自身はこう語っています。

「小学生の時に遊びの中で自然に作られたフォームが原型で、それからあまり変わってないのでは。フォームについては誰かに教わった記憶もありません。僕はずっとこの投げ方ですし、この投げ方しか知らない」

引用元:高校野球ドットコム

上原浩治のテイクバックが小さいピッチングフォームの原型は小学生の頃に作られたんですね。

このピッチングフォームは彼にとってごく自然なフォームなんです。

テイクバックが小さいピッチングフォームですぐに手がトップの位置に入るので、周りからよく「野手投げ」だといわれています。

しかし上原は合理的・効率的であれば「野手投げ」でも良いと考えています。

外野守備のスペシャリストで強肩でコントロール抜群の高橋由伸(元巨人)の投げ方が理想の一つと上原は言っています。

遠投でピッチングフォームを作る

上原の調整法は昔から変わっていません。巨人時代からブルペンに入らず遠投をするという調整法をしていました。

その調整法はメジャーに行っても一緒です。

試合前の練習では、近くで他のピッチャー達がキャッチボールをしているなかで、10分弱で上原だけ50m→60m→70mとどんどん距離を伸ばしていきます。

メジャーでは他のピッチャーも遠投をしますが、日々のルーティンにはしていません。しかし上原は毎日のようにしています。

上原はキャッチボールをとても大切にしていて、コントロールよく投げるように心掛けています。10mでも80mでもそのほとんどはノーバウンドで相手の胸の辺りにコントロールされます。

上原のボールは低い軌道で途中で浮き上がり、回転数が多いのでなかなか落ちてきません。

上原は「体全体を使うのがピッチング。体全体を使うのが遠投。ピッチングと遠投には”通じるもの”がある!」と言い、遠投で気を付けていることをこう言っています。

「遠投は、体全体を使わないと遠くへ投げることは出来ないので、体全体を使う動作として遠投が一番いい練習法だと思いますね。

遠投は上へ投げることが出来れば、遠くへ投げられると思う方が多いと思うのですが、僕の場合は低い軌道で、いかにして100メートルを投げられるかというのを課題にしています。

また、遠投時は、体の全てに意識を置きますよね。体の全ての力がボールに伝わらないと投げられないですから。

遠投をした翌日には、体が張ると思うんですけど、張る部分はまだ筋力も弱いところなんだなと分かりますね。」

引用元:高校野球ドットコム

他のピッチャーのキャッチボールは10分程度で終わるのですが、上原はまだ半分くらいで大体15~20分ほど行います。

遠投はほぼ毎日しますが、連投が続いているときはしないようにするなど、そのときに応じて考えながら遠投をしています。

和田毅

テイクバックの小さいピッチングフォームで活躍している左ピッチャーといえば、ソフトバンクで活躍している和田毅です。

左肘の故障がありメジャーではあまり活躍できませんでした。しかし2012年トミー・ジョン手術をして復活を果たしました。

2016年に5シーズンぶりに日本球界に戻り、35歳で最多勝(15勝)を獲得するなど、ベテランといわれる年齢になっても昔と変わらぬ活躍を続けています。

衰え知らずの左腕について、すごいデータがあります。

それは「パ・リーグ投手の球種別空振り率」のデータ。規定投球回を投げたピッチャーのなかで、和田はストレートの空振り率がなんと1位です。続く西武・菊池、楽天・則本に大差をつけています。

菊池や則本は日本トップクラスの球速を誇り160キロ近い豪速球を投げますが、和田といえば140キロ前後で130キロ台を計測することもあるくらい遅いんです 。

和田毅のテイクバックの小さいピッチングフォームができた理由

球速の遅いピッチャーにとって理想的なピッチングフォームといわれる和田は、若手から「教えて下さい」と頼まれることもあるといいます。

和田毅のテイクバックの小さいピッチングフォームができたのは大学時代。

大学に入ったときはMAX129キロで常時125キロ前後。球速が遅かったので「失うものはない」と思い、今までのピッチングフォームを捨て、フォームを大幅に変えました。

ピッチングフォームの改善、股関節をはじめとする体の動きの改善により129キロ→142キロと球速がわずか1ヶ月半で13キロ速くなりました。

このときに和田毅の武器になるテイクバックが小さいピッチングフォームができました。

しかし実際は当時テイクバックを小さくするという意識はなかったといいます。

なぜテイクバックが小さくなったのでしょうか?

それは「グローブを持つ右手の使い方を変えたから」と和田毅は言います。

「グラブをはめた右手で壁をつくるように前へ置いておき、リリース時にグラブを支点にするように一気に体を引き寄せていくようにしたんです」

引用元:VICTORY

それまでは「ただ単に足をあげて投げるだけで右手を全然使えていなかった」と言います。シャドーを何度も繰り返すことで感覚を掴んでいきました。

このようにグローブをはめた右手をしっかりと意識して使うようになったら、勝手に「テイクバックが小さくなった」んです(*_*)

この右手の使い方はスピードアップにも大きく貢献してくれました。

「スピードアップに一番貢献してくれたフォーム改良点はグラブをはめた右手の使い方。きっとそれまでは142キロ出るはずのパワーをどこかに逃がしていた」

引用元:VICTORY

1ヶ月半で筋力はそれほどアップしません。和田毅はピッチングフォーム改造だけで13キロ速くなりました。

右手の使い方を変えたことで「球速アップ」と「テイクバックが小さくなる」という良いことが起きたのです。一石二鳥ですね^^

このピッチングフォーム改造を支えてくれたのが、当時学生トレーナーだった土橋恵秀氏。現在も専属トレーナーとして彼を支えています。

土橋恵秀氏は、右手以外に下半身の使い方の改良にも着手したと言います。

「彼は高校2年の時に上腕の筋肉を断裂しています。

この部分だけに負荷をかけないようにするには、体全体で(負荷を)吸収しなければならない。そこで下半身の使い方を改良したんです。

まず意識させたのは体重移動の際に無駄な力を入れないこと。

次に腰の回旋。背骨を軸として回すのではなく、左腰を前にぶつけるイメージです。フォーム改造には1ヵ月半かかりました」

引用元:週刊現代

土橋トレーナーの教え、和田の努力により大学時代に和田毅は大きく生まれ変わり奪三振数が急増しました。「ドクターK」と呼ばれ、当時江川卓氏が持つ東京六大学野球の奪三振記録を更新し、通算476奪三振まで記録を伸ばしました!

テイクバックが小さくなり、さらに球速が速くなる。これにより打者は130~140キロの球が150キロ以上に見えるといいます。

才能がないから、人一倍考える

和田は「才能がないので、他の人に追いつくためには人一倍考えなきゃならない」と言って普段の練習をただ単にこなすのではなく、色々考えながら行っています。

大学時代、下半身強化のために練習グラウンドの両翼間のポール走(約160メートル)に取り組みました。初めは10本走るのも辛かったのですが、2年時には20本、3年時には往復20本、4年時には往復40本ができるようになっていました。

本人はただ走るだけではなく「スピードはそのまま維持して、どのようにしたら楽に走れるかを考えていた」といいます。

土橋恵秀氏から伝えられた理論について、和田は全部実践した上で、しっかりと納得し必要なものだけ取り入れるというスタンスでトレーニングに臨んでいました。

カメラマン泣かせのピッチングフォーム

カメラマンは和田毅のリリースの瞬間、すなわちボールが指から離れる瞬間を撮ろうと、必死になってシャッターを押しますがなかなかうまく撮れません。そのため彼は「カメラマン泣かせのピッチャー」として有名です。

ソフトバンクの公式カメラマン繁昌良司氏は和田に関してこう言っています。

「いいピッチャーほど(リリースの瞬間が)撮りづらい」

「通常、左ピッチャーに対しては一塁側でレンズを構えます。リリースの瞬間を狙うのですが、シャッターを押すタイミングが難しい。

普通のピッチャーは同じタイミングで投げてくる。だから何球か投げているうちに、だんだんタイミングが合ってくるんです。

ところが和田だけは最初から最後までタイミングが合わない。おそらく微妙に(リリースの)タイミングをずらしているんでしょう。

シャッターを押すタイミングがとれないリリースポイントなのに、どうすれば打てるのか。バッターも大変だと思いますよ。

以前は、たまに撮りやすい日もあった。案の定、その日は打たれていました。今年は、ほとんど(撮りやすい日が)ないように感じられます」

引用元:週刊現代

ほとんどのピッチャーは数球撮れば大体リリースの瞬間は撮れるのですが、和田毅だけはなかなか撮らせてくれません(^^;

バッターだけではなく、カメラマンもリリースの瞬間、すなわち球の出所が分かりにくいんです。それだけタイミングが取りづらいピッチングフォームなんですね^^

星野伸之

星野伸之は、タイトルの獲得は少ないものの90年代強打者が揃うパ・リーグで11年連続二桁勝利、通算176勝するなど球界を代表するピッチャーです。

プロ野球選手としてはとても細く183cmで60kg前半から中盤くらいの体重しかありませんでした。ストレートの球速はMAX130キロ位しかなく、120キロ台がほとんど。・・・かなり遅いですよね(笑)

そして星野の代名詞といわれる90キロ台のスローカーブ、110キロ前後のフォークの3種類だけで多くの三振を奪いました。

通算奪三振数は球の遅いピッチャーながら豪速球ピッチャーたちをしのぐ、歴代21位(2017年現在)の2041奪三振(>_<)!

球が遅すぎて、すっぽぬけのスローカーブを「キャッチャーが素手で受けてしまう」という逸話もあるくらいです。また星野の球よりキャッチャーの返球のほうが速かったことも有名です(笑)

1989年頃にピッチングフォームを改造し、リリースする直前までボールを持った左手を体の横に隠すテイクバックの小さいピッチングフォームにしました。

テイクバックの小さいピッチングフォームによって打者はリリースする瞬間までボールが見えず、ボールの出所が見にくくなりました。

星野伸之がテイクバックの小さいピッチングフォームができた理由

星野伸之は高校時代から球が遅く「プロになったら、もう少し球速が上がるかな」と思っていました。

しかし、本人の想いとは裏腹にプロに入ってからも球速はほとんど変わりません(笑)

そこで星野はこう考えました。

「コンプレックスは多少あったけど、球が遅いのなら、緩急を使うしかない。

打者との駆け引きやコンビネーション、球のキレで勝負することにしました。

(腕を小さくたたむ)独自の投球フォームも、背中越しに腕が出て球種を読まれないようにしたら、テイクバックが小さくなっていったんです。

相手打者が「見えにくい」と言っていたと聞き、これはいけると確信しました。そういう工夫は、高校球児にも参考になるかもしれません。」

引用元:バーチャル高校野球

プロで生き抜くために、遅い球でいかに打者を抑えるかを考えに考えた末、独特のテイクバックの小さいピッチングフォームになっていったんですね。

このピッチングフォームが星野には合っていたのか、多くの球数を投げても大きな怪我もせずに129完投もしています。

このピッチングフォームになってからは、打者からは握りが見えないため球種が読みにくく、ボールの出所も見えにくくなりました。

ストレートとスローカーブとの緩急差は40キロ以上で、打者にはストレートの球速が数字以上に速く見えたと言われます。

星野のストレートはほとんどが120キロ台でしたが、多くのプロの強打者たちがその120キロ台のストレートを「速かった」と言っています。

「あまりにも速く感じて金縛りのようになった」

「(当時日本最速の158km/hを記録した)伊良部より星野さんのほうが速いと思う」

「星野さんのストレートが一番打ちにくい」

引用元:Wikipedia

これは星野よりももっと速いスピードボールを見てきたプロの打者の言葉です。どれだけ星野のボールが早く見えたかがこの言葉でよく分かりますよね^^

星野伸之の鋭い観察力

星野は球が遅いのに、なぜ打者を抑えることができたのでしょうか?

通算176勝、歴代21位の通算2041奪三振!

他のピッチャーよりも格段に遅い120キロ台のストレート、スローカーブ、フォークの3種類しかないのにこの数字は驚異的です。

テイクバックを小さくしたことも大きく関係していますが、それだけではここまでの成績は残せません。

星野のすごさは、球界屈指の鋭い「観察力」にあります。打者の細かい反応を1球1球敏感に察知して、次に投げるボールを考えます。

打者の反応以外にも、打順・イニング・ランナーの有無・自分の体調・打者の情報・ゲームの流れ・・・など、そのときの投げるべきベストボール(球種・コース)を決めます。

「常に対戦している打者の裏をかくボールを投げること」

星野の頭脳的な投球術で次々とアウトを奪っていきます。

特に1996年のオリックスVS巨人の日本シリーズ。当時の巨人・松井秀喜(日米通算507本塁打)はシーズン38本塁打でMVPを獲得するなどノリに乗っていました。

星野は持ち前の鋭い「観察力」で松井がスローカーブを狙っていると読み、徹底してフォークを決め球にして松井をほぼ完璧に抑えました。星野の活躍もありオリックスは4勝1敗と圧勝しました。

球は遅いが本格派ピッチャー

上原浩治、和田毅、星野伸之は3人とも共通して球は遅いが本格派ピッチャーであると思います。

上原・和田のストレートは140キロあるかないか、星野のストレートは120キロ台です。しかしこの3人はそのストレートを大きな武器にしています。

他のピッチャーに比べストレートのバックスピンの回転数が段違いに多く、ボールのキレが良く、ノビもすごいんです。

テイクバックの小さいピッチングフォームも合わさり、打者にとっては球速表示以上に見えるといわれてます。だから打者はまともに捉えることができません。

星野は自身を「本格派ピッチャー」と言い、長年バッテリーを組んだキャッチャー中嶋聡は「星野さんの本質は”ストレートピッチャー”」と言っています。

普通120キロ台のストレートはお辞儀してしまいますが、星野の120キロ台のストレートはキレがありお辞儀せずに伸びていきます。だから120キロ台に見えず、もっと速く見えます。いくらテイクバックが小さくても伸びがなければ、打たれます。

当時は、回転数を計測する機械がなかったのですが、星野のストレートは他のピッチャーよりも確実に回転数が多かったと思います。だからプロの打者たちがこの120キロ台のストレートを絶賛するのでしょう^^

和田のストレートについて、和田の球を受けているキャッチャーによると

「和田のストレートは、スピードガンの表示より5kmは速く感じられた」

「実際のスピードと体感スピードの違うピッチャーです。実際は140kmなのに、受けている側は145km以上に感じるんです。

だから打席でバッターは〝狙っている真っすぐがきてもとらえ切れない。ファウルになる〟と、よくこぼしていましたよ」

「和田が他のピッチャーと一番違うのは、〝逆球〟が打たれないこと。他のピッチャーなら逆にくると、かなり高い確率で打たれてしまう。ところが和田は打たれない。これは不思議な体験でした」

引用元:週刊現代

ストレートのキレも素晴らしく、回転数はプロの平均値を大きく上回ります。だから和田のストレートの空振り率は他の速球投手を抑えて一位になるのでしょう^^

上原は奪三振率が非常に高くメジャーでも上位です。日本のピッチャーよりもメジャーのピッチャーのほうが平均球速は速く、それを見慣れているメジャーリーガーから伸びのあるストレートで多くの三振を奪います。上原はストレートの重要性をこう語ります。

「僕は、ピッチャーというのは、しっかりとしたストレートが投げられない限り、他の変化球も生きないと思っています。

まずは、しっかりとしたストレートが投げられるということが、とても大事ですね。

僕は球速があまり出ないので、キレで勝負する投手だと思っています。

キレがなくなったら、簡単にホームランを打たれますし、キレは、これからもずっと求めていくことであり、課題でもありますね。」

引用元:高校野球ドットコム

上原のキレのあるストレートの秘密は「最後にボールを離す瞬間、ボールの縫い目に指の第一関節指をかけて、ボールをきる!」と表現します。

それには親指・人差し指・中指の3本の「指力(握力)」が大切と言い上原流の「指力(握力)」の鍛え方は

  • 3本指で柔らかいボールをひたすら潰す
  • 3本指で15kgのダンベルをずっと持つ

です。指力は巨人のエース菅野智之も大切にしていて、3㎏のウエイトボールを何度も握って指力を鍛えています。

この3人はテイクバックが小さいだけではなく、ストレートのキレ(伸び)もあるから打者を抑えられるのです。

他のピッチャーより◯◯が速い

ほとんどのピッチャーのテイクバックは、ボールを持っている腕を一度下げて、次に腕をトップの位置に上げます。そして最後に腕を振ってリリースします。

この3人は他のピッチャーのピッチングフォームに比べて、テイクバックから腕を振る(腕を下げてからリリースするまで)のが速いといわれています。

実は、打者は「”球速”だけで、ボールの速さを感じるのではなく、”ピッチングフォーム+球速”でボールの速さを感じる」のです。

つまり同じ球速ならば、テイクバック~リリースするまでが速いほうが、打者は「速い」と感じるのです。

この3人のテイクバック~リリースまでが、打者の脳に記憶されているスピードよりも速く、それが頭では分かっていても、その予測を上回る速さなのでしょう。

それに加えて「回転数の多い伸びのあるストレート」や「優れた観察力」や「優れたコントロール」や「キレのある変化球」など3人それぞれ最強の武器があります。

だからこの3人は球速が遅くても打者を抑えられるのです。

テイクバックの小さいピッチングフォームで注意する点

テイクバックの小さいピッチングフォームは、フォームが悪いとケガをしたり、速い球を投げることができなくなる可能性があります。

トップは早く作る

テイクバックの小さいピッチングフォームで大切なのは「トップを早く作る」です。

どれくらい早く?

それは「前足が着地するときには、腕はトップの位置に持っていく」です。

 

なぜトップを作るのが遅くなると良くないのか?

メジャーリーガーの岩隈久志がそのことをTVで分かりやすく教えていました。岩隈久志もテイクバックが小さく、「外旋型テイクバック」で下ろした腕を素早くトップに持っていきます。

「コントロールアーティスト」と呼ばれるほどコントロールが抜群でボールを丁寧に低めに集めゴロを打たせて、少ない球数で抑えるピッチングスタイルです。

2008年にはシーズン21勝(楽天)、メジャーでは弱い球団といわれるマリナーズで2012~2016年の5年間で63勝(2016年までで日本人歴代3位)を挙げています。ピッチャーとしてメジャーでも評価が高く、2014年には「メジャー最高の先発9投手」にも選ばれています。

岩隈久志は高校時代130キロ台のだった球速が、プロに入ってからMAX153キロになりました。球速がアップした理由はピッチングフォームを変えたからと言います。

「ピッチャーはボールを前で離さなければいけない。僕はその感覚をまず覚えた。

後ろの方をいくら力を強く上げても腕は(前に)振れない。

右手が前に振れれば振れるほどスピードも出てくる。そのためには準備をしてあげる。

足を上げて踏み出したときにトップに入る。そしたらあとは自然に前にいく。

(トップに入るのが遅れるてしまい)そこからトップに持ってこようとしたら力を入れないと腕が振れない。

トップを早く作ってあげると腕が前で振れるようになる。スピードも上がる。」

トップを早く作れていない状態で腕を振りにいこうとすると、肩や肘に大きな負担がかかってしまい、ケガや故障の可能性がとても高くなります。

岩隈久志は「トップを早く作る練習法」を教えていました。それはバレーボールを使った練習です。これは一人でできます。

頭の高さくらいにバレーボールを上げ、腕はトップの位置から振り下ろし、バレーボールを下に叩きつける練習です。

「トップを早く作る」と「前で強く叩く」ができるようになります。

「前を振るイメージで下に叩く」ことが大切で、これが身に付くと「前に強く振れる」ようになり、スピードが出るようになると言います。

体全体を使う

テイクバックの小さいピッチングフォームでは、どうしても上半身の動きが小さいために手投げになる可能性が高くなります。

上原浩治のところでほとんどお伝えしましたが、手投げにならないように下半身主導で体全体を使って投げる意識が大切です。

それには腕を意識して振らないようにします。肩や腕に力を入れて振るのではなく、腰や肩が回転すると「腕は意識しなくても”自然と”振られる」のです。そうすると手投げになりません。

そのためにはキャッチボールや遠投でしっかりと体全体を使うように意識して投げることが重要です。基本中の基本「キャッチボール」をおろそかにしないようにしましょう^^

小学生のうちは「外転型テイクバック」

小学生は「外転型テイクバック」をおすすめします。

なぜなら「外旋型テイクバック」は筋力と骨格がある程度成長していないと、肘が上がりにくいためトップを早く作れないからです。すると肘や肩に大きな負担がかかりケガ・故障をする可能性が高くなります。

中学生以上である程度、筋力がつき、手が大きくボールが親指・人差し指・中指でうまく握れるようになると肘が上がりやすくなり、早くトップが作ることができるようになります。

それまではテイクバックが大きくとれて、体全体を使いやすい「外転型テイクバック」がおすすめです。

ダルビッシュは高校時代まで「外転型テイクバック」で、プロ入り後にピッチングフォームを改造して「外旋型テイクバック」にしています。

まとめ

上原浩治、和田毅、星野伸之の3人のテイクバックの小さいピッチングフォームは、球の遅いピッチャーにとって非常に理想的でお手本になるピッチングフォームといえます。

しかし、テイクバックの小さいピッチングフォームにしたからといって、球速が遅くなるわけではありません。

自分にぴったりのピッチングフォームができれば、反対にスピードはアップします。

ピッチングフォームは1人1人違います。この3人をお手本に自分に合うピッチングフォームを見つけていただけたら幸いです^^

  • テイクバックが大きいほうが投げやすい
  • 小さいテイクバックにしたら、肩(または肘)が痛くなった
  • 小さいテイクバックにしたら、球速が遅くなった

・・・など、小さいテイクバックのピッチングフォームにして、メリットがなくマイナスの部分が増えるようでしたら、無理にピッチングフォームを変える必要はありません(^^;

大きいテイクバックのピッチャーでも活躍していた、または現在活躍しているピッチャーはたくさんいるからです。

僕は個人的に体全体を使った大きなピッチングフォームの野茂英雄氏や江夏豊氏やマリアーノリベラのダイナミックなフォームが好きです。

最後までご覧いただきありがとうございます^^またよろしくお願いいたします。

こちらもご覧下さい→理想のピッチングフォーム!正しい足の使い方&野球に必要な足の鍛え方!