ピッチャーのアイシングは時間とタイミングが大切!

前回に引き続き「ピッチャーのアイシング」についてです。

ピッチャーのアイシングは時間とタイミングが大切です。アイシングはどのようなタイミングで、どれくらいの時間すれば良いかをお伝えいたします。

前回はピッチャーのアイシングの「善」(良いところ)やアイシンググッズについてでした。

ピッチャーのアイシングは賛否両論あり、 アイシングの「善」もあれば「悪」(悪いところ)の部分もあります。今回は「悪」の部分もお伝えいたしたいと思います。

なぜケガをすると「痛み」や「炎症」が起こるのでしょうか?これにはしっかりとした意味があります。

この意味を理解すると正しい対処の仕方がわかります(^-^)

悪者扱いされていますが「炎症」は大切な反応です

無理して運動をし身体の組織に損傷がおこると、身体の中から痛みの物質がでてきます。ピッチャーなら投げすぎや悪いフォームでピッチングすると痛みますよね。

この痛みの物質にはブラジキニン・ヒスタミン・プロスタグランジンといったものがあります(ややこしいですね(^^;))

これらの物質によって、痛みが引き起こされます。これと同時に血流が悪くなり、その後血液のなかの成分が血管の外に出ていくことで炎症症状がおこり、腫れていきます。

「炎症」は腫れるし痛いし「悪いもの」だと思っている人が多いのではないでしょうか?

実は、「炎症」は治る過程で身体に必要な非常に大切なものなんです。

簡単にいうと

「ケガした場所を治すための身体の反応で、ケガした場所を掃除して、元に戻すための様々な物質を届ける働き」

をするのが「炎症」です。だから身体にとって「炎症」は大切な反応なのです。

ピッチャーが投げた後に起こっている「炎症」とは、一種の修復活動として起きているのです。

痛みも大切な反応なのです

「痛み」も悪者扱いにしてはいけません。

「痛み」というのは「警告と修復のサイン」をカラダが脳に伝えているので、この「警告と修復のサイン」をなくすようにするのはあまり良くありません。

だからこそ修復活動のための、このひとつの過程をなくしてしまうことは、早く回復するためには避けなければいけません。そうしないと回復しようという次の段階に進めません。

「痛み」を無理やり抑えるということが身体に与える影響を考えたことがありますか?

「痛み」とは修復活動を促すためサインです。それを抑えるということは自然治癒の邪魔をするということです。

「痛くないの?それなら栄養や修復物質を運ばなくてもいいよね!」と脳が勘違いします。

「痛み」の大切のサインはまだあります。それは・・・

  • それ以上やると危ない!
  • 動かさないで!
  • 休ませて!
  • その動かし方は痛いから、やめて!

というサインです。痛いのにそのままプレーし続けると、ケガや故障につながります。

痛いのは嫌ですよね。でも「痛み」も身体にとって大切な反応なのです。

アイシングの「悪」!? その1

前回のおさらいになりますがスポーツ外傷とスポーツ障害について、説明させていただきます。

スポーツ外傷とは、プレー中に明らかに外からの圧力や衝撃によってケガすることをいいます。たとえば衝突や転倒によるケガです。例:骨折・打撲・捻挫・肉離れ・靭帯損傷など

スポーツ障害とは、スポーツによって繰り返し負担が積み重なり、痛みなどの症状が長く続くものをいいます。プレー中やプレー後に肩や肘が痛み、ひどくなると日常生活でも痛みが続くことがあります。例:野球肘(特にピッチャー)・テニス肘・ジャンパー膝・シンスプリントなど

今回は「スポーツ外傷」ではなく、「スポーツ障害」と「スポーツ障害の前の状態(スポーツする人の運動後)」にアイシングは「悪」であるというお話になります。

ピッチャーでいえば野球肩や野球肘、投球後ですね。

アイシングが必要だとする理由で大切になるのは、運動で筋肉が「酸素不足」になり、その「酸素不足」でおこるダメージをアイシングによって少なくするということですね。

他にも神経の興奮をおさえ痛みを軽くしてくれる、早く回復できる、筋肉痛を緩和する、気持ちがいいなどのメリットがあるといわれています。

これは本当なのでしょうか?他のピッチャーが投げた後にアイシングをやっているから、何の疑いもなく自分もやっているという人は多いと思います。

まずは「酸素不足」についてですが、運動により筋肉はたくさんの血液が必要になっていきます。

運動すると筋肉はたくさん血液が必要になるため酸素不足になります。

つまり、単純に考えると血液が足りないとなります。この状態が続くと、最悪の場合は血液が足らず細胞が壊死してしまうということが研究でわかっています。

しかしそれは自然現象で、ごく当たり前なのです。この酸素不足(血液不足)から身体を守るにはアイシングをして血流を悪くすればいい。

だからこそ運動後には、アイシングをしなさいといわれる理由のひとつになります。

しかしこの酸素不足(血液不足)は悪いことでもなんでもなく、ごく普通の自然現象なのです。

アイシングによって血流を悪くすると「必要とする血液(修復するための酸素やその他の様々な栄養)が送れなくなる」ということです。

するとどうなるでしょう?

・・・そうです!「必要とする血液が送れなくなる→回復が遅くなる」となりますね。

だからあえてアイシングする必要がありません。使われた筋肉は、自分の自然治癒力で回復することができ、しかもそれ(自力で治すこと)も立派なトレーニングになります。

筋肉を強くするのも、回復させるのも自力でできるのです。

たとえアイシングに効果があったとしても、アイシングをする時間よりも、もっともっと大切な時間があります。

早く回復したいと思うのならアイシングの時間よりも

  • 「食事」の時間
  • 「入浴(リラックス)」の時間
  • 「睡眠」の時間

これらの時間を大切にして下さい!

これは重要なのでもう一度繰り返します。

早期の回復にはアイシングの時間よりも「食事・入浴(リラックス)・睡眠」の時間を大切にして下さい!

これらの時間を大切にすることがスポーツをされている皆さんにとって必ずプラスになります。

時間は限られています。もったいない無駄な時間をなくし有効に使ってくださいね(^-^)

アイシングをしなかった鉄腕メジャーリーガー

皆さんご存知だと思いますが、アイシングをしなかったプロ野球のピッチャーで有名なのは元中日ドラゴンズ山本昌投手ですね。

肩や肘の故障経験はなく、手術もしたこともない、しかも32年間50歳まで現役を続けられました!

「ケガをしない投げ方はあります」と山本昌投手は言います。そのあとにこう続けました。

「大きく使うこと。これしか言いようがないですね。」具体的にいうと

  • ピッチングフォームやキャッチボールステップなど大きく使う準備をする
  • 投げるときにどうしても肩や肘にストレスがかかるが、ストレスない肩の回し方・ストレスのない肩や肘の角度・ストレスのないリリースなど肩や肘にストレスの少ない腕の振りをする

「これが合わされば、肩を壊さない投げ方になる。」

と言われ、他のピッチャーがアイシングしてる時間に、山本昌投手は一切アイシングせずにプロ野球史上初50歳までマウンドに立ち続けられました。

そしてアイシングをしない最強のピッチャーがメジャーリーグにもう一人いました。

それは大リーグ歴代1位の通算652セーブの元ヤンキース守護神マリアノ・リベラです!

抑えのピッチャーなので、登板した試合は最後にマウンドに立っていますよね。それなのに帰る時間はとても早く、チームでもトップクラス!

なぜなのでしょうか?

マリアノ・リベラはこう言います。

「基本的にアイシングをしないで帰るから早いんだよ。冷やすと筋肉が硬くなって、回復が遅くなる気がするんだ」

引用元:zakzak

アイシングの時間が省かれるので帰るのが早かったんですね(笑)。

マリアノ・リベラは右肩痛で15日間だけ故障者リストに入っただけで、19シーズンで歴代4位の1115試合に登板!

2人とも「アイシングは悪い」と直感でわかったんでしょう。40歳越えても現役で投げ続けてきた2人です。肩や肘の故障が非常に少ないのは、単なる偶然ではないでしょう(^^)

捻挫や打撲などのアイシングのタイミング・時間

「スポーツ外傷」の場合はアイシングが必要な場合もあります。

一般的にアイシングは腫れや炎症をおさえるという意味でやりますので、少しの時間ではアイシングの効果がないといわれています。

そのため30分以上凍傷にならないように注意しながら、痛くなった日以降も繰り返すようなやり方も多いといいます。

しかし最近の論文では、バラつきはありますが1時間のアイシングのあとは、最低1時間30分は血流はもとに戻らなくて低下したままらしいです。

その結果、痛めた細胞に血液(修復するための物質・酸素・栄養)を運ぶ役割が低下する。結果としてさらに細胞がダメージを負うのではないかと考えられています。

てことは1時間はやり過ぎかもしれませんね(^^;

ケガした直後にアイシング10分間を1~2回(20分休みを入れて)やることは必要かもしれません。

それは「炎症」をおさえるためではなく、傷めた直後の「毛細血管や小さな血管からの微細な出血」を止めて、ムダに「炎症」が広がらないようにするためです。

アイシングを10分くらいしても血流はそれほど低下しないと思われますが、時間が長くなればなるほどアイシングは炎症をおさえ過ぎて血流が悪くなり治癒するのが遅れますのでやり過ぎに注意して下さい。

しかし最近では重度の捻挫や打撲ではない限り、アイシングの時間は必要ないとなっているようです。

しかし重度の捻挫や打撲の場合は医者の指示に従って下さいね。

まとめ

ピッチャーのアイシングの「悪」はまだ続きがありますが、長くなりますのでまた次回にということで(^^)

昔の有名なピッチャーはアイシングもしないで、今では考えられないくらいのイニングを投げてきました。

今では年間20勝するピッチャー珍しいですが、昔は20勝以上したピッチャーは1年で何人もいました(年間で10人以上いる年もあります)。なかには40勝以上したピッチャーもいます。

アイシングよりも大切な時間は・・・「食事」「入浴(リラックス)」「睡眠」ですね。

これらの時間を大切にすることで早い回復が期待できます。

「時は金なり」

皆様の大切な時間。皆様にとってプラスなるように使っていただきたいと思います(^^)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

皆様が今よりも良くなることを願っております。それではまた宜しくお願い致します。

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